わたくし、親の影響で、子どもの頃から本を読みまくっていました。バンドを始めて、しばらく本から離れますが、就職してからはまた読書家?に戻りました。
それはバブル後期でした。売り上げ目標を達成すると営業所で海外旅行に出かけたりしていました。ずーっとバンドマンだったわたくしは、海外旅行なんかしたことありません。海外旅行なんかより現金が欲しい!なんて言ってたんすけど、入社1年後にわたくしも連れてってもらうことになりました。
ハワイへは何度も行ったことがある先輩たちは、違う国へ行きたかったみたいです。いくつかの候補が出た結果、タイが選ばれました。わたくしのイメージでは、タイはおっさんが売春旅行に行くところでした。初めての海外旅行でタイへ行くなんて、なんかイヤやなあ。
おばちゃんと若いおねーさんの2人がガイドで着いてきてくれるツアーでした。後から考えたら超ぼったくられてるツアーやったのですが、その分、贅沢させてもらってる内容でした。何日目やったか忘れましたが、ツアー時間外に記憶に残ることが起こります。若いおねーさんガイドが、わたくしと先輩のふたりを夜のバンコクへ連れ出してくれたのです。
先輩かわたくしのどちらかを狙っていたのかもしれないし、そうじゃなくて、そんなことはよくあることなのかもしれません。が、そこに現れたのは観光で案内されるタイではなく、ローカルの人々が出歩く夜の街でした。初めての海外旅行だったわたくしにとっては、映画の世界に飛び込んだような刺激的、衝撃的、そして不思議な体験でした。そして、タイが大好きになりました。
いつか本を書いてみたい、と思っていたわたくしは、帰国後、このタイでの衝撃体験を小説にしました。夜のタイの街が細かく描写された内容です。その時一緒だった先輩がタイで失踪してしまい、それを探しに行く話です。先輩はガイドさんを追いかけて日本を捨てるのです。
わたくしが実際に見たタイは、観光で案内された場所だけでした。後はガイドブックで読んだことだけ。その話はなんだか中身が薄いものになりました。小説は失敗です。でも、あの若いおねーさんと先輩と自分のやりとりは何故か頭に残っていました。
今回、わたくしが書いた「ハワイで消えた友人を探しに行った」にも3人が出てきます。先輩は友だちになり、若いおねーさんガイドはハワイのホテルで働いてる年下の女の子になっています。そして、わたくしは20年も住んでいたおかげで舞台(ハワイ)には詳しくなっています。「ハワイで消えた友人を探しに行った」は、そんなわけで、実は30年くらいかかって作ったような小説です。読んでいただけたら嬉しいです。
・Apple Books(予定)
その他にも、可能な限り配信メニューに加えて行く予定です。価格は1100円(税込み)です。興味を持っていただけましたら、検索してみてください。
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